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 2011.1.21発行. No61(毎週金曜日発行)

セイガンスピーク/アルファベンディ メールマガジン

Sagan Speak / Alphabendi   Newsletter

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     このメールは、これまで弊社とお名刺を交換又はメールアドレスを教えて頂いた学校関係者様にお送りしています。

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■ 今 週 の I N D E X

1.気になる最近のニュース

2. 女子学生の進路とリンクインシステム

3.日本の中の不思議な英語表現(その44) 

4.スティーブン・オーストウィック自叙伝(第43話)

5.英作文コーナー(その35)

6.編集後記(メルマガ編集者らによる雑感コーナー)

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1.気になる最近のニュース

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■有料開放、利用進まず 開校20年の福山、大谷台小

http://www.asahi.com/edu/news/OSK201101140068.html

 

■昼寝公認で学力アップ 福岡・明善高、健康にも効果

http://www.asahi.com/edu/news/SEB201101140056.html

 

■試験前に不安を書けば、成績上がります 米シカゴ大研究

http://www.asahi.com/edu/news/TKY201101170182.html

 

■偽装留学 見抜けず 青森大

http://www.asahi.com/edu/news/TKY201101170133.html

 

■「保護者の苦情で不眠症」教諭提訴 保護者「娘に差別」

http://www.asahi.com/edu/news/TKY201101170419.html

 

同志社国際学院、4月に開校 日本語と英語バイリンガル教育

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110119/edc11011921070034-n1.htm

 

国際化 留学生3000人の効果

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110120/edc11012001260002-n1.htm

 

PISAが語る日本の15歳の実態 読書敬遠、ネット活用しきれず…

http://mainichi.jp/life/edu/archive/news/2011/01/20110115ddm013100135000c.html

 

都教委:難関大進学、必死の支援策 独自の「虎の巻」、部活動の時間短縮も−−来年度

http://mainichi.jp/life/edu/archive/news/2011/01/20110119dde041040013000c.html

 

専門学校に単位・通信制、社会人の資格取得支援

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20110119-OYT8T00708.htm

 

公立高希望3年ぶり減、「就学支援金」で私学復調埼玉 

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20110114-OYT8T00518.htm

 

教諭が推薦願書出し忘れ、高3受験出来ず

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20110114-OYT8T00340.htm

 

試験前「間違えそうだ」と書くと成績アップ!

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20110115-OYT8T00191.htm

 

学力テストで教諭がヒント「平均上げたかった」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20110115-OYT8T00471.htm

 

センター試験に変化の兆し、慶大が来年撤退へ

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20110116-OYT8T00186.htm

 

世界で勝てる人材育成、12大学と16社が連携

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20110117-OYT8T00240.htm

 

情報管理大丈夫?78大学がメールに民間利用

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20110117-OYT8T00256.htm

 

携帯電話持つ小中学生、やや減少石川

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20110118-OYT8T00458.htm

 

授業料全額免除100人に北大、新年度から

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20110119-OYT8T00542.htm

 

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          2.女子学生の進路とリンクインシステム

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超氷河期といわれる大学生の就職活動ですが、

報道によれば、卒業後3年以内であれば、既卒者も新卒者と見なして選考するという大手企業が増えています。

しかし、実際のところその有効性は疑わしいもので、

昨今の社会風潮に配慮した企業のイメージアップの戦略としか思えません。

 

と言うのも、大手企業の採用担当をしている私の友人の見解によれば、

自分を一番高く企業で売り込める新卒の時期にもかかわらず、

多くの企業によって採用を見送られた学生が、

名目上、新卒の扱いの下で再度、求人へ応募できたとしても、

選考過程において、新卒時にどの企業も採用を見送った人物とのレッテルが張られるだけです。

 

言うまでもなく、企業はボランティアとして新卒を採用するのではなく、

激化する国際間競争に勝ち抜き、収益を挙げていくために、

潜在能力が高そうな学生を一定数で毎年定期的に採用しているだけに過ぎません。

 

先日、昨年度の大学生の就職率が60.8%と発表されました。

しかし、これはあくまでも、男子と女子の就職率の合算です。

女子大学生の就職率だけに限って言えば、おそらく5割くらいの水準ではないでしょうか?

つまり、昨年の女子大生の2人に1人は、新卒としての内定を得られないまま卒業し、

その後も、既卒者として不利を悟りながら、今年の新卒者と限りある採用枠をめぐって争っている訳です。

 

そんな厳しい女子の就職活動において、

就職先が決まらないまま大学を卒業する学生達が、

就職活動を中断し、次の進路として、専門学校や職業訓練学校を目指しているのを御存じですか?

就職の内定が得られなかった女子大生が大学卒業後、専門学校へ入学し、アルバイトをしながら、

専門資格の取得を目指し、再度、就職活動に挑戦しようというものです。

 

資格専門学校大手の大原学園によれば、

昨年2010年度の同学園系列専門学校への入学者のうち2割以上が

なんと大学・短大の卒業者・中退者で占められているそうです。

これを裏付けるように、文部科学書の最新の調査によれば、

大学・短大の卒業後に専門学校へ入学し直す学生数が判明しているだけでも2010年度で24800人、

前年よりもなんと4000人増えているそうです。

おそらく今後もその傾向は強まっていくと見られます。

 

特に男子学生よりも女子学生にその傾向は高いようで、

大卒の学歴に見合った希望業種・仕事内容・待遇が、現実の求人とかけ離れる傾向が男子学生に比べて高く、

そのギャップとの間の苦悩の果てに、時間と費用とかけてまでも、

自身のスキルアップを図ろうとする意欲は分かるような気もします。

 

先日、ある女子校へ訪問しました際に、

女性の英語の先生からのご意見を拝聴しました。

「就職活動において、体力・気力で男子学生に劣りがちな女子こそ、

英語力を武器にすべきであり、女子校こそ、男子校以上に英語教育にもっと力を入れるべき」

とのことです。

さらに、「女子学生の採るべき進路として、

結婚後の共働きや子育て休暇の取得のしやすさ、更には定年まで勤務する働き続けることも考えると、

一般的な営業職や事務職ではなく、労働価値の高いような専門職・研究職・技術職を目指すべき」とのことで、

実際、英語が得意な生徒には、文系ではなく理系への進路指導を奨めているそうです。

 

そう言われてみれば、文学部で英語を専攻する女子学生と

工学部で英語も話せる女子学生との比較で言えば、

企業の採用担当者がどちらの学生に興味を示すかは、言うまでもないでしょう。

 

医者、科学者、IT技術者、薬学研究者、エンジニアなどといった科学技術の分野は、

一般的には、欧米が最先端であって、彼らの共通言語は間違いなく英語です。

最先端の技術をいち早く取り入れていく日進月歩の研究開発が必要な業界で、

のんびりと日本語の翻訳本が出るのを待ってことはまずあり得ないでしょう。

国際的な会議の場などでは、参加者や出席者は英語でコミュニケーションをとることは、

常識であるばかりでなく、プレゼンや論文も英語での発表を余儀なくされます。

 

営業力が重視されるような職場にあっては、

残念ながら女子社員は、男子社員の補助的な役割しか担えないことの方が多いでしょう。

また女性の場合は残念ながら年齢とともに、

その補助的な役割が他の若手の女性社員によって担われていくこともありうるでしょう。

 

しかし、高度な技術力や労働価値の高いような職場であれば、

男女の性別の差というよりも、単純に能力の差で勝負できるでしょうし、

女性であっても年齢や経験とともにその存在の重要度は増していくでしょう。

 

そこで、弊社は単なる「理系女子」ではなく、

英語力を伴った「英語理系女子」という進路案を提唱したいと思います。

将来の就職活動で不安を抱える女子学生やその保護者への進路案としては、

理にかなった説明になるのではないでしょうか?

 

一般的に理系には論理性が要求がされると言われます。

当然、英語にも論術力が要求されるはすです。

この「英語理系女子」に必要な、英語での論述力を養成するために、

リンクインシステムはまさに最適と言えます。

 

弊社の新英語授業システム「リンクインシステム」は、

2つのリンクを意味しています。

@日本人英語教師の授業と外国人英語教師の授業との内容的にリンクしている

A「読む・聴く・話す・書く」がリンクした4技能同時学習が実現している

 

これら2つのリンクによって、

中学一年生から高校卒業までの6年間をかけて発信力や論述力を養成できます。

特に「書く」については、毎回、ネイティブ講師によって

自由英作文の指導をしていきますので、論述力を確かなものにしていきます。

そもそも学習とは、理論の理解と実践練習のバランス良く繰り返しされることで

最大の効果が発揮されるはずです。

したがって、バランスに欠けた学習では上達の進度は遅くなります。

泳ぎ方をいくら教室で黒板を使って教えても、

実際のプールで実践しないと結局、覚えられないのと一緒です。

従って、英語の実践一つである自由英作文についても、

指導時期を故意に遅らせる必要はありません。

自由に英文が書けず悩んでこその、文法学習の授業なのであり、

この悩みを克服しない限り、一生、英文が読めても、英語で発信ができないままで終わります。

手前味噌で恐縮なのですが、

「英語理系女子」の育成にリンクインシステムが最適なのではないでしょうか?

 

 

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                     3.日本の中の不思議な英語表現(その44) 

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私たち日本人が外国へ訪れると、街の中で不思議で不適切な日本語に出会うことがありませんか?

同じように、外国人(この場合、英語のネイティブスピーカー等)が、

日本の街中で不思議で不適切な英語表現を見ることもあるのではないでしょうか? 

 

今回は沖縄の遊園地のゴーカートコースに掲げられた看板です。

日本語と英語で次のように書かれています。

「通り抜け禁止! 子供に注意!」

Passing through is prohibition!  I warn a child!

 

これを訂正しますと、こんなカンジでしょうか?

Caution,  children at play!  Entry is prohibited.

 

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4.スティーブン・オーストウィック自叙伝(第43話) 

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 弊社のスティーブン・オーストウィックによる自叙伝のコーナーです。ここでは、彼のエッセイや詩なども掲載しています。

 

Hi to you all out there and I hope that you’re alive a kicking.

By that I hope you’re not just aimlessly swinging your legs from

side to side and pretending to kick something that just amounts to air.  

I hope you’re really getting out there and kicking something that

needs a good kicking and by that I mean I hope you're making

worthwhile contributions inside your space and on a regular

basis - enough of that for the time being and on to something else. 

 

Are you all looking forward to weekend ahead? I know I certainly

am.  I have one or two pressing things company related that I need

to get out the way first thing in the morning and after that, kid duty

prevailing, I have one or two jobs to do around my small abode. 

I still haven’t managed to put my workbench together, so that’s at the

top of my jobs to do list. To be honest, I’ve only just taken the family

Christmas tree down – the general rule of thumb there is 12 days

before and 12 days after – did any of you do the same thing, come on

be honest, I bet you did. 

 

It’s now just coming up top 7pm and myself and two other staff are

still beavering away in the office here trying to finish this week’s

version of our newsletter, all last minute stuff as per usual.  Trying

to put out weekly newsletters is not an easy thing to do.  Anyway,

I’d better get my poem done and out the way, so we can all get out

of here at a reasonable time tonight.  I am not sure what the hell

this week’s poem’s going to be about, but as I’m typing up the end

of this little intro to it I can feel something coming into my head,

so here goes – wish me luck ….

 

Blundering on through Poetry

 

A poem by Stephen Austwick – inspired by Melissa Wullur

 

I’m hungry, it’s cold all my energy’s just about sold.

And for a poultry sum I might add for the spent product was just shy of not bad.

I’m ready to go home, but I can’t for the minute.

Because I have to create a poem and I’ll be buggered if I’ll wing it.

I could just continue on without any of it making sense.

Or just bring it to an end and let tiredness be my defence.

But what is there at hand to keep these lines flowing and growing.

I’m busy trying to find words I can connect to this poetic blunder.

Please let it be struck by lightening or even stolen by thunder.

I don’t think it will because it’s been made up at will.

A will with a way and where there’s that there’s the say.    

My say is all said out for today, I’m off home to my family.

I hope this ending line's not shy of satisfactory.

    

 

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5.英作文コーナー(その35)

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■このコーナーでは、日常の学校で教職員の方が遭遇するかもしれないシーンにおける

スモールトークを英語で言えるように養成します。

このコーナーでは、問題文とその対訳を安易に併記する方法を廃しまして、

ご自身の今の英語力を駆使して悩みながら答えを紡ぎ出して頂くという手法を

採らせて頂きました。

故に各質問には、特定の模範回答を併記しておりません。

解答パターンは、読者様の数だけ存在しますし、様々な言い方が可能なので、

どうか気軽にご回答をお送り下さい。

なお、お送り頂いたご回答へは、弊社の外国人講師が丁寧に添削してメールで返信します。

このコーナーが皆様の英語力アップに貢献できれば幸いです。

 

 

●ご質問その1(問題文をクリックして自作回答をメールして下さい)

  「あなたの学校に勤務する外国人英語講師が、「中国人による日本国内への不動産投資や土地購入に日本人は拒否反応があるにもかかわらず、日本は税金まで投じて積極的に中国人を日本へ誘致しようしているのは何故でしょうか?」と質問してきました。英語でどう答えますか?

 

●ご質問その2(問題文をクリックして自作回答をメールして下さい)

「あなたの学校に勤務する外国人英語講師が、「ソニー創業者が『イノベーションとは常識と非常識がぶつかり合うときに生まれる』という立派な格言を残しているにもかかわらず、日本の社会は多様で異質な人材や文化を受け入れていく気概が低く、常識と非常識の掛け合いに躊躇しているように見えます、あなたはどう思いますか」と質問してきました。英語でどう答えますか?

 

皆様からのご回答をお待ちしています。

 

 

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6.編集後記(メルマガ編集者らによる雑感コーナー)

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グローバル化の進む現代にあって、ここ最近、

日本人学生の留学が減り、それをマスコミは「内向き志向」と批判しています。

こうした内向き志向には留めを掛けるべく、

文科省と外務省は、英語を教える教員向けに英語の力量をも高めようと、

共同で2011年度から約5億円の予算案で新プログラムを始めようとしております。

その内容というのは、日本人英語教員をアメリカの大学に半年間派遣し、

英語の効果的な教え方を学ばせ、さらにホームステイをもさせることで、

生きたコミュニケーション能力をも磨かせるというものです。

このプログラムの対象となるのは、全国の都道府県の中学校の英語教員が中心となりそうで、

選考方法は都道府県が、意欲のある教員を文科省へ推薦する方式となる見通しです。

派遣期間は、2011年の夏頃から2012年の初め頃までの約半年くらいで、

帰国後は、他の教員へ学んだ内容を伝え、

地域の英語教育向上に取り組むリーダーになってもらう事を国は期待しているようです。

 

確かに従来から、日本人英語教員の英語力不足を指摘する声は根強いものがあります。

文科省の調査によれば、公立中学校に勤める英語教員28000人の調査回答者のうち、

外部の英語検定試験受験体験者は、たったの58%、

英検準一級資格以上の保有者にいたっては、なんと24%にとどまっています。

より高度な英語能力が要求されるはずの公立高校の英語教員にあっては、

24000人のうち外部の英語検定試験受験体験者は69%、

英語準一級資格以上の保有者は、49%でしかありません。

 

文科省が進める英語教員の海外研修プログラムの根底には、

従来から指摘されていた英語教員の質を向上させることで、

学生の英語理解力を向上させ、近年指摘される学生の内向き志向に歯止めを掛け、

もってグローバル化に乗り遅れまいとする意図あるように思えます。

しかし、そもそも、日本の学生は本当に、

ずっと国内に安住し、英語を使わず、一生海外と関わりを持ちたくないと考えているのでしょうか?

つまり、国内志向という意味の「内向き志向」なのでしょうか?

 

OECDの調査でも示されているように、

これまで日本人の海外留学者は、「基本的には」年々増加傾向にありました。

しかし、特に世界的な景気後退が本格化した2005年以降から減少に転じており、

景気後退と留学者数の減少はほぼ一致しています。

単に学生の無気力さだけを見て、今の学生は内向き志向になったと結論づけようとしても、

依然として、1998年時点と同水準の7万人もの日本人学生が留学しているのであれば、

国内に安住し、英語を使わず、一生海外と関わりの持ちたくないというネガティブな意味での

国内志向という意味の「内向き志向」ではないように思えます。

 

 

 

ご承知の通り、ここ数年の不況の中、見通しの効かない将来の業績を考慮して、

日本の各企業は、新卒採用数をかなり絞り込んでいます。

その半面、大学進学率の増加にとって大学生の数は年々増加しており、

絞り込まれた採用枠へ多くの学生が殺到し、学生間の競争は激化しています。

そんな厳しい就職活動の時期に、のんびりと海外留学をする訳にもいかず、

自分の人生を左右するようなこの大事な時期を重視する学生が、

留学をあえて選択しなくなったのも当然と言えるでしょう。

つまり、留学者数の減少とは、

最近の不況に起因する学生の就職不安がもたらした事象なのではないでしょうか?

もっとも、留学をしようと言う学生の全体の層ではなく、

大学4年の卒業をもって、スムーズに新卒として就職することを希望する一定数の層(セグメント)が、

留学を断念した結果の減少分が、問題視されている減少数と言えるのではないでしょうか?

 

結果、本来は留学をしたかったはずの一定数の学生が、自分の大事な将来を

左右する時期に、早期の就職を選択しただけのことで、

依然として7万人近くの日本人学生が留学しているのであれば、

国内に安住し、英語を使わず、一生海外と関わりの持ちたくないというネガティブな意味での

国内志向という意味の「内向き志向」ではないように思えます。

 

むしろ、この場合の「内向き」とは、外国への留学を嫌悪するという意味ではなく、

「自分の内面」というか、「内在的な将来への保守性や安全性」を選択した学生が

たまたま不景気の中で増加しているという意味をもって解されるべきでしょう。

 

来年、文科省が進める英語教員の米国へ約半年の派遣プログラムですが、

学生同様に、教員も自身が身を置く職場環境・事情・担当する校務を慮れば、

そう簡単に自分だけの都合で、学校を離れることはできず、

止むえない理由で、自身を取り巻く諸事情を考慮した意思決定をせざるを得ないかもしれません。

まさに学生と同じケースです。

 

学生の「内向き」を改善するための施策が、

教師の「内向き」によって頓挫するという見通しを立ててみましたが、、

皆さんはどう思いますか?

 

 

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